Pradox
Eiji Miwa
2022.09.17 - 10.09
Pradox
Eiji Miwa
2022. 9.17 (sat) - 10.09 (mon)

私たちが視覚によってある対象を見たとき、実際に見えている状態と「見た」として記憶される視覚像、それを伝達するための画像という3つの情報の地点がある。

現代において誰もが持ち歩く端末内のカメラ機能が、この3地点の溝を最小限の時間、誤差、そして"誤解"で埋める役割として働いている。この誤解とはカメラにではなく視覚を有する私たちの認識にある。

私たちは写真のようにたった一点の立脚点や焦点によって対象を切り抜くことはほとんどなく、また動画のような連続的で緩慢な視線移動も行わない。しかし対象の構造を写し取るという意味での正確性とこれ以上にない手軽さの影響は強く、「見えたままに表す」ことまでもがカメラの映し出す様相を基準としてしまった。

私はこのような状況への疑問から端を発し、視覚の情報処理過程とより適した描出を改めて見直しつつ、見たものを見えたままに表すことを絵画によって研究している。

ここで重要なのは研究の適当な前提に比して、その解が私たちの考えうる内容から遠く離れているかもしれないという可能性である。

Artist Profile

三輪 瑛士

映像のセルを重ねたような独特の絵画世界は、幅広い世代の人の心を惹きつけ、学生のころから数多くの賞を受賞。2020年には、「月刊美術」主催の「美術新人賞 デビュー2020」にて奨励賞を受賞。さらに、著名なミュージシャンのミュージックビデオに登場する絵画作品を手がけるなど、活動の幅を広げる。